「やることが多い」という幻覚
やることが多い、という心の動きをそのまま口に出しているだけで、これは事実ではない。
全ての言葉・文章には、事実であるものと、単なる感情であるものがある。
「忙しい」は頭がパンクしていると認識する時のニューロン発火の表現であるし、「辛い」は感情が渋滞している鼻にツンと来るような、もしくは鬱なニューロン発火の表現である。
「今日ケーキ食べたんだよね」は事実だけど、「そのケーキ美味しかったんだよね」は感情である。
「上司が不機嫌だったんだよね」も感情である可能性が高い。
自分が不機嫌だったから、上司が不機嫌に見えただけかもしれないからだ。
「お腹が痛くてテストできなかった」というのも、プライドが高く、テストの点数を過剰に期待していたが、その心的状況を自分では把握しておらず、不思議とそのプライドと期待に傷つけられようとしている、その一連の力動を阻止しようとしている気持ちである。
「言い訳するな」や「因果がおかしいよ」という茶々は、ほんとうにただの茶々である。
一種の感情表現にいちいち首を突っ込んではいけない。これは事実ではないのだ。
「辛いね」と共感するのが一番やわらかい返し方だ。